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  • 研究内容

    東京女子医科大学心臓血管外科において本邦初の植込み型補助人工心臓(EVAHEART)の臨床治験が行われている他、再生医療の分野でも自己組織のみの人工血管を目指したtissue engineering graftの臨床治験などを行っており、世界のトップレベルの研究が行われております。

    大学院

  • 大学院入学を考えている方へ

    昨今、iPS細胞による疾病治療に関する研究、創薬への応用などが盛んにおこなわれています。皆様も再生医学という言葉を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。我々心臓血管外科、循環器内科、小児循環器内科含め心臓病センターでも再生医学に注目、研究をしています。当科では先生方のスキルアップとして大学病院、関連病院への出張や海外への留学などで臨床経験を積むことはもとより心臓血管外科学の大学院に進学し一度臨床から離れ基礎研究に従事することにも対応しています。具体的にはこの10年間で8名大学院に進学しています。当科はこれまで心臓移植における免疫抑制、拒絶反応に関する研究、補助人工心臓に関する研究、また大動脈瘤手術における脊椎保護に関する研究、生体吸収性の素材を利用した人工血管作成に関する研究など様々なことに挑戦しています。また東京女子医大は早稲田大学と合同で医工融合研究教育拠点である「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設」(TWINS)を2008年4月に開設しました。この施設には様々な企業、理工学系の先生も参画し日々研究に従事しています。もちろん医療者側も心臓血管外科のみならず様々な科の医師がこの施設で研究を行っています。当科についてはこれまで同施設において重症心不全の対するシート工学を用いた研究、医工学開発・性能評価にかかわる先生方との共同研究を行ってきました。

    当科は心臓移植認定施設であり重症心不全治療に日々従事しています。心不全治療は1997年臓器移植法が制定、2009年法改正を経てわが国においても心臓移植件数が増加傾向にあります。心臓移植は末期心不全患者を対象にして行われる最終治療手段とされています。しかし問題点としてわが国では圧倒的にドナーが不足しています。またそれまでの間に用いられる補助人工心臓も血栓塞栓症や臓器出血、感染症などの問題を抱えています。このような現状で再生医学をもちいた新たな人工臓器作成技術開発は現在の治療を根本から変えるパラダイムシフトを起こす可能性を秘めていると考えられます。

    これまで虚血心に対し骨髄細胞や、筋芽細胞の注入が行われてきました。しかしこれらの細胞は心筋細胞への分化能が低いこと、また手技上細胞が目的部位で生着しないことなどの欠点がありました。このような欠点を補うべく考えだされたものがシート工学でした。現在筋芽細胞シートの移植治療が動物および臨床研究で進められています。しかし筋芽細胞シートのパラクライン効果による血管新生は十分とはいいがたく長期予後含めさらなる研究が必要と考えられています。このような中でTWINSでは心筋細胞をシート状にする、さらにはそれらを重ね合わせ組織体にする研究が行われています。心筋細胞の供給源先としてはラット心筋細胞やiPS細胞から分化誘導した心筋細胞や間質細胞がありこれらを用いて組織体構築に関する研究を行っています。

    当科ではこのように基礎研究もおこなわれておりまたその施設、設備も他施設に引けを取らないと考えています。ご興味あれば一度当科に見学いただければと思います。

    増田 憲保
    東京女子医大先端生命医科学研究所サイト
    http://www.twmu.ac.jp/ABMES/